第885回「よその旅館ホテル」
──宿の創業は。
「文書などが残っておらず、はっきりと分からないのですが、天保年間(1830~44年)ではないかと言われています。私で18代目になります」
──客室数は。
「9室になります。内訳は和室が6室、洋室はシングルが2室、ツインが1室です。温泉ではないのですが、大浴場は男女それぞれにあります」
──客層は。
「会津鉄道会津田島駅の近くで、南会津町に出張に訪れるビジネス客が中心です。ただ、売り上げ全体に占める宿泊の割合は一部で、宴会がメインになっています」
──宴会場は。
「宴会場は、350平方メートルのホール、和洋32畳の会議室、和室15畳の会議室があります。地元の方々を中心として宴会、会合、婚礼、法要などでご利用いただいています。東日本大震災の直後は、宴会の自粛などがあって厳しい状況でしたが、今は回復してきました。これからも宴会を伸ばしていきたいですね」
──観光客の宿泊の方はいかがですか。
「夏の会津田島祇園祭では、宿の前の通りを花嫁行列などが通りますので、この時期は満室になります。他の時期については、いかに当地に足をとめてもらうか、いかに宿泊してもらうかが課題ですね」
「かつては大内宿、塔のへつりなど周辺の観光地を周遊する観光バスが昼食などで立ち寄る機会も多かったのですが、道路事情の変化に伴って少なくなってしまいました」
──経営課題は。
「食材などの値上がりによる原価の上昇です。宴会にかける費用はなかなか上がりませんし、質を下げて評判も落としたくないので工夫をこらす必要があります」